「香り」が脳に与える影響と効果についてご存じでしょうか?香りをうまく使えばリラックス効果、集中力の向上、ストレス軽減など私たちの心や身体に良い影響をもたらしてくれます。本コラムでは、香りが脳に伝達するメカニズムや、香りを日々の生活に取り入れる効果的な方法をご紹介いたします。香りの力を活かし、より健康で安らげる毎日を送りましょう。
香りとは、嗅覚を刺激する空気中を漂う物質の一つです。香りのもとであるにおい分子が鼻から嗅覚神経を通して脳に届くと、感情や記憶に関連する大脳辺縁系に達し、さらに自律神経系を司る視床下部へと伝えられます。香りの情報は他の感覚と違い大脳新皮質を通らずに大脳辺縁系へ直接伝わるため、最も原始的かつ本能的な感覚といわれています。
リラックス効果、集中力の向上、ストレス軽減は、いずれも香りが脳に刺激を与えることで分泌された神経伝達物質によるものです。例えば香りの情報が嗅覚を通して視床下部に伝わり、セロトニンの分泌量が調整され、ストレスが軽減される、といった具合です。
どのような香りがプラスの効果をもたらしてくれるのか、詳しく見ていきましょう。
心身のリラックスを促す香りとしてよく知られているのがラベンダーやカモミールです。ラベンダーの香りにはリナロールや酢酸リナリルといった鎮静作用のある成分が含まれており、これらが自律神経に働きかけ、副交感神経が優位になることでリラックス効果をもたらすとされています。
カモミールの香りも鎮静作用があることで知られており、緊張をほぐし、心を穏やかにしたいときに用いられています。
リラックス効果を高める香りは浴室や寝室での使用が効果的です。カモミールの香りがする入浴剤を使用したり、ラベンダーのエッセンシャルオイルをアロマディフューザーに垂らしたりして香りを漂わせると、緊張がやわらぎリラックスしやすくなります。
森林浴も心身のリラックスに効果的です。森林には樹木から揮発した芳香成分が漂っており、その芳香成分には炎症を抑える効果やリラックス効果があるとされています。ウッディ系のアロマを使用すればお家にいながら森林浴の気分を味わうことができます。副交感神経を優位にする効果があるといわれているヒノキやサンダルウッドの香りを取り入れれば、穏やかな気持ちで日々を過ごすことができるでしょう。
集中力や記憶力を向上させる香りにローズマリーがあります。ローズマリーに含まれるカンファーという成分が脳を活性化させ、集中力アップにつながります。また、脳内の血流を促進する働きもあるため、記憶力の向上も期待できます。
覚醒作用のあるペパーミントは眠気覚ましとしてよく用いられています。勉強中や集中したいときはペパーミントのエッセンシャルオイルを垂らしたアロマストーンをデスクに置いたり、デスク周りのリネンにペパーミントのアロマスプレーを吹きかけたりするのもおすすめです。
ヒノキやオレンジスイートの香りは、ストレス軽減に役立つと言われています。
日本人にとってなじみ深い爽やかなヒノキの香りには精神を安定させる効果があるとされるα-ピネンが含まれています。
オレンジスイートの主成分であるリモネンには、高揚と鎮静の両方の作用があり、気分を変える効果があります。これにより、ストレスによる精神的な疲労や落ち込みを感じたときに、心のバランスを取り戻すのに役立ちます。
ストレスを感じた時には、アロマディフューザーを用いて香りを部屋に漂わせたり、入浴時にバスソルトやエッセンシャルオイルを使用したりして香りを楽しむのも良いでしょう。
睡眠の質を改善する香りとして有名なものに、ラベンダー、サンダルウッド、カモミールなどがあります。すでにご紹介したとおりラベンダーやカモミールには副交感神経を優位にする作用があるため、睡眠時に使用すると身体がリラックスモードに切り替わり、眠りにつきやすくなります。
ウッディ系のアロマであるサンダルウッドには鎮静効果や安眠効果があるため、心を落ち着けたいときやぐっすり眠りたいときにぴったりです。就寝前にサンダルウッドのエッセンシャルオイルを浴槽へ数滴垂らした湯船にゆったりと浸かるのもおすすめです。
香りを上手に取り入れれば日々の生活に癒しのひと時を作ることができます。アロマディフューザーやアロマスプレー、ウォーターパフュームといった製品を活用すれば手軽に香りの効果を得ることができるでしょう。ここでは、生活の中に香りを取り入れるためのアイテムやアイデアをご紹介いたします。
香りを効果的に取り入れるには、タイミングやシーンごとに適した香りを選ぶのがポイントです。
・朝の目覚め:さわやかな気分で迎えたい朝には、覚醒作用のあるレモンやペパーミントなどの香りがぴったりです。室内のリネンにペパーミントのアロマスプレーを吹きかけたり、アロマディフューザーにレモンなどの柑橘系のエッセンシャルオイルを垂らして使えば頭が冴え、すっきりと目覚めることができるでしょう。
・勉強中や作業中:勉強中などは、脳を活性化させてくれるローズマリーの香りや集中力を高めてくれるユーカリの香りがおすすめです。デスク周りのリネンにアロマスプレーを吹きかければ、さっと気分を切り替えるのに役立ちそうです。
・バスタイム:湯船にゆったりと浸かって一日の疲れを癒すバスタイムには、心を落ち着かせてくれるイランイランの香りや、自律神経を整えてくれるゼラニウムの香りなどがぴったりです。バスソルトを使ったりエッセンシャルオイルを湯船に数滴垂らしたりして浴室を香りで満たせば、心と身体の緊張がほぐれ、より安らげる時間を過ごせるでしょう。
最近はウォーターパフュームと呼ばれる水やお湯で希釈して使用する、水用のフレグランスが注目を集めています。液体なので溶け残る心配がありませんし、エッセンシャルオイル不使用のタイプを選べばオイルが肌に付着することで起きる肌トラブルを防ぐこともできます。
ウォーターパフュームについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧になってみてください。
【自宅でスパ体験:ウォーターパフュームで贅沢なバスタイムを】
・ 就寝前のリラックスタイム:一日の疲れを癒すには、心身のリラックスを促してくれるラベンダーやカモミールの香りが最適です。就寝の少し前に鎮静効果やリラックス効果のあるエッセンシャルオイルをアロマディフューザーに垂らしておけば、ベッドに入るころには寝室が心地よい香りで包まれ、緊張がやわらいで入眠しやすくなります。
香りが私たちの身体にもたらす効果や、日々の暮らしへの取り入れ方についてご紹介いたしました。本コラムでご紹介したアイテムや使用方法をヒントに、より健康で安らかな日々を目指しましょう。
さらに、香りを使った自然療法であるアロマテラピーについて詳しく知りたい方は、以下のコラムもあわせてご覧ください。
【香りが導くリラックス:アロマテラピーの効果と生活への取り入れ方】
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